とりあえず、小倉百人一首のコイウタを完了させようと思います。
前回89番歌でしたのでその続きからですね。

 

歌合し侍ける時、恋歌とてよめる

見せばやな 雄島の海人(蜑・あま)の 袖だにも
 濡れにぞ濡れし 色はかはらず

      ――殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ) 「千載和歌集」

 

<直訳>
歌の読み合わせをしていましたとき、
「恋歌」というテーマで詠んだ詩なんですけどね。

(あなたに)見せたいものだなぁ。
雄島の漁師の袖でさえも、
波しぶきですっかり濡れてしまっているけども、
色変わりまではしていないのに
(涙で濡らした私の袖は色変わりをしてしまっていることよ)。

 

・文法など

初句切れ、四句切れ。

「見せばやな」
 =下二段動詞「見す」+願望の終助詞「ばや」+詠嘆の終助詞「な」
 ⇒見せる+~したい+~だなぁ=「見せたいものだなぁ」
 ×ここが「見せ場やな」という意味ではない。

「雄島」
 宮城県の松島にある島の1つ。

「袖だにも」
 =副助詞「だに」。英語の比較級のthanに似ている。
  程度の軽いものを例に挙げて、程度の重さを強調させる。
  今回の場合だと、「雄島の海人の袖<私の涙で濡れた袖」となる。
  「~でさえも○○なのに、・・・」で訳しておけばOK。

「濡れにぞ濡れし」
 =現代語にもあるように「濡れに濡れた」でOK。
 →「濡れ」+格助詞「に」+係助詞「ぞ」
          +「濡れ」+過去の助動詞「き」連体形
 ⇒「濡れに濡れた、しかし」(←上の「だに」の意味を有効に組み合わせる)

 普通の涙が枯れてしまった後は、血の涙が出るので、
 水で濡れてしまうのではないので袖の色が変わってしまう、ということ。

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