このコイウタシリーズも残すところ、あと3首になりました。

本日取り上げる第92番歌、
次回の第97番歌、そして最後は第43番歌であります。

 

寄石恋といへる心を

わが袖は  潮干に見えぬ  沖の石の
    人こそ知らね  乾くまもなし

                ――二条院讃岐 「千載和歌集」

 

<直訳>

石に寄する恋の心情を読んだ詩

あなた様はきっと知らないのでしょうね。
潮が引いたときにも顔を出さない、沖にある岩のように、
私の袖が、悲しみの涙で濡れて乾く間もないことを。

<文法など>

「石に寄する恋」という題で詠んだ「題詠」の歌。
自分の心情を事物にたとえる手法であり、
「寄物陳思(物に寄せて思いを陳ぶる=述べる)」と言う。

「潮干に見えぬ沖の石の」は、「乾くまもなし」にかかる序詞。
ちなみに「見えぬ」の「ぬ」は、打消の助動詞「ず」の連体形。

「人こそ知らね」(係り結び)
 =「こそ」は係助詞、「ね」は打消の助動詞「ず」の已然形。
 ⇒人(相手、思いを寄せる人)は気付かないけれど

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