思ひわび さてもいのちは あるものを
 憂きにたへぬは 涙なりけり
              ――道因法師  「千載和歌集」


<直訳>
恋い慕っても、つれなくされるので悲しみにくれる。
それでも命だけは繋いでいるのだけれども、
辛さにこらえきれなくなって、涙がポロポロとこぼれ落ちることだ。


・文法など
「いのち」はある(=絶えなかった)。
その一方で、「涙」は憂きに耐えられなかった。
と、両者を対照的に表現している。

「思ひ侘ぶ」は、思い嘆く・悲しみにくれるなどの意味。

「さても」=「さありても」が縮んだもの
→指示代名詞「さ」+「あり」+接続助詞「ても」
⇒そうであっても、それでも
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