brasscopper 

私たちの専門領域である理科の中でも、
物理学と化学は、昔より利用されてきました
(生物学や地学は比較的新しい)。

古代ギリシアの頃から、琥珀を毛皮でこすることで、
静電気が発生するということは知られていたし、
古くからアマルガム(=水銀の合金)でメッキできることも知られていた。


16世紀ごろ、ヨーロッパなどでは、
化学的手段を用いて卑金属(鉄や鉛など)から
貴金属(特に金)を精錬しようと、
多くの人間が錬金術に携わってきた。

これをきっかけとして近代化学の基礎となるワケだが、
当然今から考えてみるとちゃんちゃらおかしいわけです。

それは、私たちが「ドルトンの原子説」、すなわち、
「化学反応では新たな原子が生成したり、
原子が消滅することはない」
ことを知っているからです。



でも、何も知らずに、上の写真のようにきれいな色をした金属が
目の前にあったらどうでしょう?



さっそくネタバレしてしまうと、実はこの3色の板は、
すべて銅が元になっているんです。

もちろん一番左が銅板。
中央が亜鉛メッキされた銅板。
右が黄銅(真鍮)です。


写真の3種類の金属板は私が作ったんじゃないですけど、
京都教育大学 理科教育研究室 村上忠幸教授による、
簡便な「錬金マジック」を再現しました。

子どもたちの興味を引くにはなかなか面白い実験です。
なぜか子どもってこういう金属好きですからね。


用意するモノは、水酸化ナトリウム水溶液(塩酸など酸でも可能)、
亜鉛(粉末は危険なので粒状の方が安全)、そして銅板。

器材としては蒸発皿(orステンレス皿)と三脚、
三角架(or金網)、ガスバーナーです。


まず亜鉛を過剰の水酸化ナトリウムに溶かし、
[Zn(OH)4]2-(=テトラヒドロキソ亜鉛酸)イオンを作ります。

ここに表面をきれいに磨いた銅板を浸すと、
イオン化傾向の差により、局部電池ができる。
そのため銅板に亜鉛メッキがされる(「銅→銀」)。


銀色になった銅板を取り出し、
乾いた布で水分を取り風乾させる。

乾いたらこの板をバーナーで加熱する。
色が変化したところで火から離し放冷する。
急激な温度変化ではなく、ゆっくりと温度を上げ、
放冷も普通に静置させた状態でよい。

すると、みるみる黄金色に変わる(「銀→金」)。


最初はただの亜鉛メッキですが、
加熱したことで銅と亜鉛の合金になります。

これを黄銅あるいは真鍮といい、
英語ではブラス brassという。
そう、金管楽器に使われているのが、この真鍮なのです。
だからブラスバンドっていうんですね。
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テーマ:自然科学
ジャンル:学問・文化・芸術
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