難波潟 みじかき葦の 節の間も
  あはでこの世を 過ぐしてよとや
                ――伊勢(「新古今和歌集」)


<直訳>
難波潟に生える短い葦の、そのまた短い節と節の間のように、
この人生、ほんの短い時間でさえもあなたに逢えないままで、過ごせとおっしゃるの。


・文法など
「難波潟〜葦の」は、「節の間」にかかる序詞。
「この世」の"よ"は、「世」と「節(よ)」の掛詞。
「葦」と「節(ふし)」と「節(よ)」は縁語。


「難波潟」
昔、大阪には「河内湾」という大きな海が入り江になって内陸側まで入り込んでいた。
東は奈良との県境に近い、生駒山のふもとまでが海であったという。

いまの大阪市内の上町台地周辺は、そこは海の上であったが、
上町台地から南以外の三方はまだまだ水(西は海水、東・北は淡水)に囲まれていた。

言ってしまえば、谷町らへんはまだ海の上であったろうと考えられるが、
いまの梅田(※)、難波、堀江などはすべて海の下であった(地名からもわかるように)。

"潟"というのは、潮が引いたときに現れる土地(地面)のこと。
その中でも、"難波潟"は、今の天満橋か高麗橋付近にあったのでは、という説がある。


つい最近まで淀川河川敷で、葦(アシ)の野焼きが行われていたことからも、
難波潟でも、アシが生えていたことは予想される。

※梅田は、「埋め田」が転じたといわれている。


「過ぐしてよとや」
→"過ぐし てよ"  と や (言ふ) ・・・品詞分解
→「過ぐす」連用形+助動詞「つ」命令形+助詞「と」+係助詞「や」(+結び「言ふ」省略)
→訳:「"過ごしてしまえ"というのですか」



<hの妄想を含めた意訳>
どうして私をフって、違う女のもとに通うのかしら。
アシの節間のようなほんの短い間でも、
あなたと一緒に逢瀬を過ごせないなんて、ありえませんわ!


直訳がすでに出オチ状態になっていて、意訳が難しいです。。。
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