昨日、詞書のある歌には詞書を、またそれぞれの出典を追加しました。
また、詩を赤、訳を緑のカラー表示にしました。
改めてご覧くださいませ。



永承六年内裏歌合に

恨みわび ほさぬ袖だに あるものを
 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ

              ――相模  「後拾遺和歌集」


<直訳>
永承6年(1051年)の内裏歌合の会において

恨み悲しんで涙に濡れた袖を乾かす暇がなくて、
その袖が朽ちていくのでさえもったいないと思うのに、
失恋して毎夜泣いているという評判が立って、
私の名も落ちていくことが悔しいのですよ。



・文法など
「袖」と「朽ち」は縁語。
「こそ」は「惜しけれ」に掛かって、強意の係り結び。

「恨みわび」
→「恨み侘ぶ」の連用形
⇒”恨んで悲しむ”の意味

「ほさぬ袖だに」= 乾さ + ぬ + 袖 + だに
→「乾さ」+打消「ず」の連体形+「袖」+副助詞「だに」
⇒”乾かない袖でさえ”



<hの実情に合わせた意訳>
自分のあまりにもできなさを恨み、嘆き悲しんで涙で枕を濡らして、
何もかもが嫌になって、連絡もしたくないし、
声を出すのも誰かと顔を合わせるのも嫌だ。

そういう状況に陥ることは自分でも嫌なのに、
自分のことで精一杯で相手のことまで考えていられない状況の私が、
他人の気持ちを思いやれないという風に思われるのは、悔しくて仕方がない。


今日はきれいに意訳ができたので、なんか嬉しい。
スポンサーサイト
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック